緑茶の日:毎年、八十八夜(はちじゅうはちや)は立春から88日目にあたるこの日に摘んだ茶は上等なものとされ、この日にお茶を飲むと長生きするともいわれています。新茶は美味しい、つい飲み過ぎてしまうのですが、体に悪いらしい。その理由とお茶の入れ方からスゴイ効能を知っておいて損はしません。
緑茶の飲みすぎは体に悪い
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飲み過ぎて悪いことといえばカフェインのことです。カフェインを過剰に摂取した場合には、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。
カフェインを一生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される一日当たりの摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)については、個人差が大きいことなどから、日本においても、国際的にも設定されていません。
●世界保健機関(WHO)
2001(平成13)年に公表した「Healthy Eating during Pregnancy and Breastfeeding (BookletFor Mothers)2001」において、紅茶、ココア、コーラ飲料は、ほぼ同程度のカフェインを含み、コーヒーにはこれらの約2倍のカフェインが含まれている。
このため、カフェインの胎児への影響についてはまだ確定していないが、妊婦はコーヒーの摂取量を一日3~4杯までにすべきとされています。
●英国食品基準庁(FSA)
2008( 平成20)年に、妊婦のカフェイン摂取に関して新たな助言を公表しています。妊婦がカフェインを摂り過ぎることにより、出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があるとしています。
以前は300 mg を上限とすることが望ましいとしていましたが、新たな助言においては、妊娠した女性に対して一日当たりのカフェイン摂取量を200 mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)、に制限するよう求めています。
また、高濃度のカフェインは自然流産を引き起こす可能性があることを示す証拠があるとしています。
●カナダ保健省 (HC)
2010(平成22)年に、カフェイン摂取について注意喚起を行いました。主な内容は以下のとおりです。
①少量のカフェイン摂取はほとんどのカナダ人にとって懸念はないが、過剰摂取は不眠症、頭痛、イライラ感、脱水症、緊張感を引き起こすため、特に子供や妊婦、授乳中の女性は注意すること。
②健康な成人は最大400 mg/日(コーヒーをマグカップ(237 ml入り)で約3杯)までとする。
③カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は最大300 mg/日(マグカップで約2杯)までとする。
④子供はカフェインに対する感受性が高いため、4歳~6歳の子供は最大45mg/日、7歳~9歳の子供は最大62.5mg/日、10歳~12歳の子供は最大85mg/日(355ml入り缶コーラ1~2本に相当)までとする。
⑤13 歳以上の青少年については、データが不十分なため、確定した勧告は作成しなかったが、一日当たり2.5mg/kg 体重以上のカフェインを摂取しないこと。
●国内におけるカフェインに関する情報
【農林水産省「カフェインの過剰摂取について」】
カフェインはどのような食品にどのくらい含まれているか。また、健康被害を予防するために注意すべきこと。
①カフェインは、コーヒー、紅茶、緑茶などの日常的に摂取する食品に含まれています。また、コーラなどの清涼飲料水にもカフェインが含まれています。
特に、カフェインを多く添加した、いわゆるエナジードリンクなどでは、コーヒー、紅茶、緑茶などより多くのカフェインを含む製品もあります。
②エナジードリンクなどは、缶や瓶1本当たりにすると、コーヒー2杯分に相当するカフェインを含むものもありますので、製品に記載されている表記をよく読み、子供、妊婦、授乳中の方、カフェインに敏感な方などは飲用を控えること。
他のカフェインを含有する製品と併せて摂取しないことのほか、1日に何本も飲まないように注意しましょう。
③カフェインを含有する医薬品を服用する場合は、多量のカフェインを一度に摂取することから、カフェインを含有する飲料との併用は避ける必要があります。
医薬品の使用方法などを記載した「添付文書」において、コーヒーやお茶などのカフェインを含有する飲料と同時に服用しないよう注意喚起がなされていますので、添付文書をよく読み、用法・用量をよく守って服用してください。
④カフェインを多く含む清涼飲料水とお酒(アルコール)の同時摂取について、米国疾病予防管理センター(CDC)は、カフェインがアルコールによる機能低下を隠すことにより、アルコールを飲み過ぎてしまいます。
結果としてアルコールによる健康への悪影響を受けやすくなると指摘しています。
▼:食品中のカフェイン濃度
食品中のカフェイン濃度 | ||
食品名 | カフェイン濃度 | 備考 |
カフェインを多く添加した清涼飲料水 | 32 ~300 mg/100 mL | 製品によって、カフェイン濃度 内容量が異なる |
インスタントコーヒー (顆粒製品) |
1杯当たり80 mg | 2 g使用した場合 |
コーヒー(浸出液) | 60 mg/100 mL | 浸出法:コーヒー粉末10 g、熱湯150 mL |
紅茶(浸出液) | 30 mg/100 mL | 浸出法:茶5 g、熱湯360 mL、1.5~4 分 |
せん茶(浸出液) | 20 mg/100 mL | 浸出法:茶10 g、90℃430 mL、1 分 |
ほうじ茶(浸出液) | 20 mg/100 mL | 浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
ウーロン茶(浸出液) | 20 mg/100 mL | 浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
玄米茶(浸出液) | 10 mg/100 mL | 浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
●飲み過ぎて悪いことといえばカフェインの摂りすぎを心配されていると思いますが、カフェインの摂取量は1日に200~300mgまでなら何ら体に有害な影響を及ぼしません。
コーヒーでは5~6杯分ですが、お茶では20杯近くにあたります。緑茶の機能性の恩恵を得るために、常識の範囲でなるべくたくさん緑茶をご愛飲下さい。
緑茶の正しい入れ方とは
ちょっと面倒な手順ですが慣れれば習慣になります。美味しい緑茶をいただきましょう。
1:お茶の葉、急須、湯飲み(人数分)、一度沸騰させたお湯、ティースプーンを準備して下さい。
2:緑茶を飲む場合にお勧めの温度は、上級煎茶で70度前後、普通煎茶で80度前後です。沸かしたばかりのお湯を使う場合は、お湯の温度が高すぎますのでお湯の温度を調節します。
※ここでは人数分のお湯の量がわかりやすい為、湯飲みを使って湯冷ましをします。
※電気ポットで70~80度のお湯が用意できている場合はこの手順は必要ありません。
3:ポットから人数分の湯飲みに、それぞれ8分目くらいまでお湯を注ぎます。沸騰したお湯をポットに移した場合、その時点で95~90度くらいまで温度が下がります。そこから更に湯飲みに注がれるので、お湯の温度は80度前後まで下がります。
※最適なお湯の温度の目安としては、湯気が横揺れをしながらゆっくりと上がる程度です。湯気の勢いが良い場合は、温度が高めです。
4:ティースプーンで一杯(約2、3グラム)くらいを1人分の目安にして、人数分の茶の葉を急須に入れて、適温になったお湯(湯飲みを使って湯冷ました湯)を急須に注いで下さい。
5:急須にお湯を注いだら60秒程ゆっくりとお茶が抽出されるのを待ちます。上級煎茶を低めの温度で淹れる場合は、抽出時間を120秒程に伸ばして下さい。
6:最後に人数分の急須に、お茶の量や濃さが同じくらいになるように回し注ぎをして下さい。
7:最後の一滴にもお茶の旨味やその他の成分が沢山つまっていますので、できるだけ急須に残らないように注ぎきって下さい。
※注ぎきったら、お茶の葉が急須内の熱で蒸れてしまわないように急須の蓋を取るか、もしくは少しずらして隙間を空けておくことで、二煎目も美味しく頂けます。
8.二煎目を淹れる時は、一煎目の時よりお湯の温度は少し高めにして、抽出時間は10秒から30秒くらいにすると、一煎目とはまた違った良さのあるさっぱりとしたお茶を淹れることができます。
是非ともお試しください。
緑茶の知られざる効能
古代中国の書物「神農本草」には、農業を司る神農が1日百草を噛んでみて、72の毒に当たったけれど、茶を飲んで毒を消したという逸話が書かれています。
緑茶は、ウーロン茶や紅茶と違って、お茶の葉を醗酵させずに作られるため、健康に良い生葉の成分をそのまま残す事ができます。
たとえばウーロン茶などは、酵素を使って中程度に醗酵させたものですし、紅茶は葉が赤い色になるまで醗酵させたものです。
そのため、お茶の葉に含まれているビタミンCなどの健康に良い成分が減少してしまい、あまり含まれていないのです。
緑茶の知られざる効能
①【ガンの予防に緑茶が効く】
ガンの抑制に緑茶が一番有効であるといった研究発表が、立て続けに出されています。緑茶に含まれているポリフェノールとカテキンが細胞のガン化を予防し、あるいは緑茶に多く含まれるビタミン類が発ガン物質の作用を抑制するというものてす。
②【食中毒の予防にはお茶が一番】
寿司と緑茶。この絶妙の取り合わせが、実は食中毒予防にもなるのをご存じですか。食中毒の王様といわれ、例年食中毒の40%を占める腸炎ビブリオ菌は、なんとお茶に出会うと死んでしまうのです。
腸炎ビブリオ菌だけでなく、毒素型ぶどう球菌やコレラ菌までも殺菌する力があることもわかっています。食中毒予防に、食事時のお茶は値千金です。
③【歯を強くして虫歯予防】
歯磨き粉で「フッ素入り」というのをよく見かけますが、お茶にもこのフッ素が含まれています。フッ素は、歯を強くし、虫歯にならないための抵抗力をつける働きがあります。
お茶に含まれるタンニンの殺菌作用で虫歯になりにくいのです。各研究機関では、長年むし歯予防の研究がなされ、「お茶を毎日コップ一杯飲むだけで、日本の学童の虫歯は半減するであろう」と提言されています。
④【ダイエットの強い味方】
砂糖を入れずにおいしく飲める緑茶は、ノンカロリーだから何杯飲んでも太る心配なし。また、油っぽいものを食べた後に飲めば、タンニンが脂肪を分解する酵素の働きを高めてくれます。
食事前の一杯が空腹感を和らげ、ダイエット中の方がおちいりがちなビタミンやミネラル不足も補えるので、ふだんにも増して緑茶を積極的に活用しましょう。
⑤【元気な赤ちゃんを産むために】
近年欧米で注目されている無機質、とくに亜鉛・銅が低体重児出産とどのように関係しているかを調べた調査によると、緑茶を飲む人と全く飲まない人の間に大きな開きのあることがわかりました。
亜鉛は妊婦に必要な微量元素といわれていますが、この調査で、緑茶を飲まない人は亜鉛不足となることが推定されました。丈夫な赤ちゃんを産むために、お母さんは緑茶を飲みましょう。
⑥【動脈硬化や脳卒中予防、血圧降下にお茶】
お茶の中には、血圧上昇物質の生成阻害作用があるということが、各研究機関で相次いで発表されていますが、また、お茶を飲むことによって、善玉コレストロール(HDL)が体内に増え、動脈硬化を予防するということも発表されました。
⑦【お茶が血糖値を下げる】
「お茶をたくさん飲めば糖尿病が抑えられる」という研究結果が富山医科薬科大学で発表されました。
糖尿病患者への臨床実験で、茶ポリフェノ-ルが血糖値をかなりの値に下げるという事がわかっております。その他の実験からも、たんぱく尿もプラスからマイナスとなるなど、興味深い結果も報告されています。
⑧【O-157と緑茶カテキンの殺菌作用】
緑茶のカテキンには、抗生物質と同じように体内で有害な菌を退治する殺菌作用があります。大学の実験で、一万個のO-157の菌が入った液に0.9ccの緑茶を入れたものが、5時間で殺菌されて、0になったという結果が出ています。
⑨【美容と健康に緑茶】
緑茶に含まれるビタミンCは、熱に強く80度でも壊れないうえに、保存にもすぐれた特性があります。弾力性のあるみずみずしい素肌作りにビタミンCは、欠かせません。
肌に弾力性を与え水分の減少を防ぎ、肌の色を黒くするメラニン色素の生成を抑制する効果もあります。緑茶には、そのビタミンCが緑茶三杯でりんご一個に匹敵するほどたくさん含まれています。
⑩【頭の良い子に育てる】
お茶のカフェインは、大脳などの中枢神経に興奮作用をもたらして、知的作業能力や運動能力を高めます。また、強心作用、利尿作用によって、精神を安定させる働きがあり、判断力や記憶力の増強に役立つことが証明されているのです。
ビタミンCの摂取量と知能指数の高さにも深い関係があるといわれることから、ぜひとも育ち盛りの子供たちには緑茶を飲ませたいものです。
⑪【老化防止にお茶が一役、ビタミンEを上回る効果】
私達の体内にできるフリーラジカルや過酸化脂質の生成を抑え、老化を防ぐとして、今話題のビタミンEの効果を上まわる(実験では約20倍)効果が、緑茶にあることが発表されました。
緑茶には、強い突然変異抑制作用、抗酸化作用のあることも証明しています。
⑫【胃腸の働きを助ける】
緑茶は、我が国に、いろいろな効果がある漢方薬として、伝来してきたわけですが、その中で胃腸薬としても用いられていました。
お茶に含まれているタンニンが、胃の働きを活発にし、腸のぜんどう運動を盛んにするので、便秘気味の方には強い味方になるのです。
⑬【殺菌作用て゛口臭を防ぐ】
口臭は、歯や歯ぐきについた食べ物のカスが原因で発生します。食後にお茶を飲めば、口の中のカスを洗い流してくれると同時に、お茶の殺菌作用で、カスにつく細菌の繁殖を阻止してくれます。
お茶のすがすがしい香りが、口の中に広がり、口臭や食べ物の臭いを消してさわやかにしてくれます。
⑭【アトピー、花粉症に緑茶が効く】
アレルギーや皮膚病を治すには、まずその原因を取り除くことからはじめなければなりません。アレルギー反応にはいろいろな種類があります。
主なものにはI型とIV型があり、アレルギーを抑える薬に抗ヒスタミン剤という薬がありますが、緑茶はこのヒスタミンが出ることを阻止する効果でアレルギーを抑えます。
⑮【茶カテキンがダイオキシン毒性を抑制する】
株式会社伊藤園と神戸大学農学部が共同研究で発表したもので、『茶カテキンがダイオキシン毒性を抑制する。』というものです。
⑯【体のペーハーを調整し、体調を整える】
人間の体は、健康な状態では弱アルカリ性に保たれています。ところが、高カロリーで偏った食事をしていたりすると、酸性に傾いて、体の調子が悪くなります。
お茶は、そんな体の酸性化を防ぐ多くの微量要素やミネラルを豊富に含むアルカリ性食品なのです。また、ビタミンCは、ウイルス感染への抵抗力を増すことから、風邪などの予防や病気の治療効果を高める働きがあります。
⑰【エイズに緑茶】
緑茶に多く含まれているカテキンにエイズウイルスの増殖を防ぐ効果があるという研究が国際茶研究シンポジウムで発表された。研究報告によるとエイズウイルスの増殖が緑茶のカテキンによって強く阻害されることを発見。
現在エイズ治療薬として使われているAZT(アジドチミジン)の20~30倍もの阻害力があることを突き止めた。
日本人に生まれて良かった・・・緑茶はスゴイですね。知らなかった、もっとたくさん飲むようにします。
緑茶の飲みすぎは体に悪い?正しい入れ方と知られざる効能まとめ
・緑茶の飲みすぎは体に悪い?:
飲み過ぎて悪いことといえばカフェインの摂りすぎを心配されていると思いますが、カフェインの摂取量は1日に200~300mgまでなら何ら体に有害な影響を及ぼしません。
コーヒーでは5~6杯分ですが、お茶では20杯近くにあたります。緑茶の機能性の恩恵を得るために、常識の範囲でなるべくたくさん緑茶をご愛飲下さい。
・緑茶の正しい入れ方とは:
緑茶を飲む場合にお勧めの温度は、上級煎茶で70度前後、普通煎茶で80度前後です。
・緑茶の知られざる効能:
緑茶は、ウーロン茶や紅茶と違って、お茶の葉を醗酵させずに作られるため、健康に良い生葉の成分をそのまま残す事ができます。
【少しでもお役に立てれば幸いです】
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