お盆には、故人の霊を家に迎えるために盆迎え火を灯し、お盆が終わると見送るために盆送り火を灯します。これらの火には、祖霊への敬意や感謝の気持ちが込められています。しかし、現代ではこの風習を知らない人も多いのではないでしょうか?この記事では、盆迎え火・盆送り火のやり方と意味、必要な道具と準備について解説します。お盆に祖霊を迎えるための盆迎え火・盆送り火の準備とポイントを知って、故人との絆を深めましょう。
お盆に祖霊を迎えるための盆迎え火・盆送り火の正しい手順とポイント
お盆には、先祖や故人の霊が家に帰ってくるといわれています。その霊を迎えるために、お盆の始めと終わりに「迎え火」と「送り火」を焚くという風習があります。この記事では、迎え火と送り火の意味ややり方、注意点などをご紹介します。
▼迎え火と送り火とは?
・迎え火とは、お盆初日の夕方に玄関先や庭で火を焚き、先祖や故人の霊が迷わずに家に帰ってこられるようにする目印です。送り火とは、お盆最終日の夕方に同じように火を焚き、霊をあの世へ無事に送り出すためのお見送りです。
・迎え火と送り火は、お盆の期間に行う伝統的な行事であり、先祖や故人への敬意や感謝の気持ちを表すものです。
▼迎え火と送り火はいつやるの?
・迎え火と送り火は、それぞれお盆の始めと終わりに行います。新暦でお盆を行う地域では、 迎え火は8月13日 、 送り火は8月16日 の夕方に行うのが一般的です。旧暦でお盆を行う地域では、 7月13日 と 7月16日 に行います。
・迎え火と送り火を行う時間帯は、基本的に両方とも 17時から19時くらい です。あまり明るすぎると火が見えにくくなりますし、あまり暗くなると危険です。やや暗くなり始めてから日が沈むまでの間が適切です。
▼迎え火と送り火のやり方は?
迎え火と送り火のやり方は、基本的に同じです。準備するものは以下の通りです。
・おがら(麻の皮を剥いた木)
・焙烙(ほうろく)(素焼きの平たい皿)
・点火用のマッチやライター
・新聞紙
・消火用の水
・盆提灯(電池式)
迎え火と送り火を行う場所は、玄関先や門口など屋外で安全な場所です。その場所で以下の手順で行います。
1.焙烙を置き、その上に新聞紙を敷く。
2.新聞紙の上におがらを積み重ねる。
3.新聞紙に点火し、おがらにもしっかりと火がついたことを確認する。
4.迎え火では先祖や故人を迎える気持ちで、「ようこそ」と声をかける。送り火では先祖や故人を見送る気持ちで、「ありがとう」と声をかける。
5.火が消えるまでその場から離れない。
6.火が消えたら水で完全に消化する。
7.灰になったおがらや新聞紙を処分する。
▼迎え火と送り火のポイント
迎え火と送り火を行う際には、以下のポイントに注意しましょう。
・周囲に燃えやすいものがないか確認する。
・風向きや風速に注意する。
・子供やペットが近づかないようにする。
・庭がない場合や防火上の観点から火を焚けない場合は、電池式の盆提灯を灯して代用す る。
・迎え火・送り火以外にも仏壇や墓参りなどで先祖や故人へ供養する。
以上が、「お盆に祖霊を迎えるための盆迎え火・盆送り火の正しい手順とポイント」です。お盆は先祖や故人へ感謝する大切な時期です。自分たちのできる範囲で供養しましょう。
お盆に灯す火に込められた意味と歴史的な背景
お盆には、先祖や故人の霊が家に帰ってくるといわれています。その霊を迎えるために、お盆の始めと終わりに「迎え火」と「送り火」を焚くという風習があります。この記事では、迎え火と送り火に込められた意味と歴史的な背景をご紹介します。
▼迎え火と送り火の意味
迎え火とは、お盆初日の夕方に玄関先や庭で火を焚き、先祖や故人の霊が迷わずに家に帰ってこられるようにする目印です。送り火とは、お盆最終日の夕方に同じように火を焚き、霊をあの世へ無事に送り出すためのお見送りです。
迎え火と送り火は、お盆の期間に行う伝統的な行事であり、先祖や故人への敬意や感謝の気持ちを表すものです。また、迎え火は家内安全や五穀豊穣などの祈願も兼ねています。
▼迎え火と送り火の歴史
迎え火と送り火の起源は明確ではありませんが、一説によると日本古来の祖霊信仰と仏教が融合したものだと言われています。
仏教では、「盂蘭盆会」という先祖供養の法会があります。これは、「盂蘭盆経」という経典に基づくもので、釈迦が弟子の目連(もくれん)が母親を地獄から救うために食物を施す話が語られています。この法会は中国から伝わり、飛鳥時代から日本でも行われるようになりました。
一方、日本では古くから夏季に祖先供養を行う風習がありました。1年に2回、初春と初秋の満月の日に祖先の霊が子孫のもとを訪れると考えられていました。初春のものは正月の祭りとなり、初秋のものは盂蘭盆会と習合してお盆となったと言われています。
また、道教や民間信仰では旧暦7月を「鬼月」とし、地獄の門が開いて鬼や亡者が出てくるという考え方がありました。旧暦7月15日は「中元節」と呼ばれ、死者への供養や施餓鬼(せがき)が行われました。
こうした仏教や道教や民間信仰などが混交し、日本独自のお盆文化が形成されました。迎え火や送り火もその一つであり、芋殻(おがら)や竹などで作った野火(たきび)で行われるようになりました。
以上が、「お盆に灯す火に込められた意味と歴史的な背景」です。お盆は先祖や故人へ感謝する大切な時期です。自分たちのできる範囲で供養しましょう。
お盆に欠かせない苧殻(おがら)と焙烙(ほうろく)の入手方法と使い方
お盆には、先祖や故人の霊を迎えるために「迎え火」という儀式を行う風習があります。迎え火では、苧殻(おがら)と焙烙(ほうろく)という道具を使って火を焚きます。この記事では、苧殻と焙烙の意味や入手方法、使い方についてご紹介します。
▼苧殻と焙烙とは
・苧殻とは、麻の茎の皮を剥いだもので、漢字では「苧殻」と書きます。麻は古来より清浄なものとして扱われてきたため、仏教や神道の儀式でよく使われています。苧殻は麻幹(あさがら)とも呼ばれ、栃木県の白川郷の屋根にも使われています。
・焙烙とは、素焼きの平皿で、迎え火に使う苧殻を乗せて燃やすための入れ物です。焙烙は耐火性が高く、火を扱う際に便利です。焙烙は「ほうろく」と読みますが、「ひょうろく」と読む場合もあります。
▼苧殻と焙烙の入手方法
苧殻と焙烙はお盆の時期になると花屋やスーパー、ホームセンターなどで購入できるようになります。苧殻の価格は安いもので10本入り150円前後で売られており、焙烙と一緒にお盆セットになっている場合もあります。
なお、現在流通している苧殻のほとんどは中国産です。苧殻の国産品は中国産よりもかなり高額ですが、迎え火で燃やすだけならば中国産でも十分でしょう。
▼苧殻と焙烙の使い方
苧殻と焙烙を使って迎え火を行う際は、以下の手順で行います 。
1.苧殻を用意する。必要に応じてカットしてサイズを調整する。
2.焙烙に苧殻を乗せる。着火しやすいように新聞紙などを敷く。
3.焚き場所を決める。玄関先や庭などで行う。
4.火をつける。お墓参りで使用したろうそくや提灯から火を移す。
5.合掌する。先祖や故人への敬意や感謝の気持ちを表す。
6.鎮火する。水入りバケツなどで安全に消火する。
7.片付ける。苧殻は燃えるゴミとして捨てる。焙烙は洗って乾かす。
以上が、「お盆に欠かせない苧殻(おがら)と焙烙(ほうろく)の入手方法と使い方」です。苧殻と焙烙はお盆だけでなく、インテリアや消臭用品としても活用できます。お盆以外でも役立つ道具ですので、ぜひ覚えておきましょう。
まとめ
この記事では、お盆に祖霊を迎えるための盆迎え火・盆送り火の準備とポイントについて解説しました。盆迎え火・盆送り火は、祖霊への敬意や感謝の気持ちを示すとともに、道しるべや足元を照らす役割があります。盆迎え火・盆送り火を行うには、苧殻(おがら)と焙烙(ほうろく)が必要ですが、スーパーや花屋などで入手できます。盆迎え火・盆送り火のやり方や意味を知って、故人との絆を深めましょう。
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